ここでお話しするのは全て、私jadeの実体験です。
実話ゆえに、オチもなにもありません。ただ、起きた現象について語ります。
一人ぼっち、じゃない家
小学生の頃、私はいわゆる鍵っ子でした。
親は仕事だし、私が末っ子なので家に着くのは私が一番早かったのです。
放課後はすぐに帰宅して荷物を置き、「行ってきまーす」と声をかけ、すぐに家を出ます。
友達と遊びに出かけたり、友達と都合が合わなくても一人で遊びに行っていました。
当時私は(今も変わりませんが)怖い話や心霊現象に興味津々で、心霊写真を集めた本や、怪奇現象を収めたビデオなどをよく見ていました。
もしかするとそういった事のせいで、人間ではない何かを呼び寄せてしまっていたのかもしれません。
ある日の夕方、私はいつものように帰宅して荷物を放り投げ、いつものように家の中に向かって「行ってきまーす」と声をかけ、いつものようにすぐに自転車に乗って出かけようとしました。
そのとき、いつもとは違う、なにか視界に入るものがありました。
自転車を置いているスペースの2〜3メートル先に自宅のトイレの小窓が見えるのですが…
そこから「手」が出ていたのです。
窓から突き出されたそれは上下に大きく揺れ、まるで「行ってらっしゃい」と言っているかのようでした。
生気がなく、細く青白い…ということもなく。ましてや透けたりもしていない、ごく普通の、人間の手。
しかしよく考えると、手どころか二の腕まで出ていたそれは、かなり不自然でした。
もし人間がいるなら、その小窓から腕を出すために相当ムリな体勢を取らなくてはならないはずです。
しつこいようですが、私は鍵っ子でしたから、家に誰も居るはずがないのです。
その当時の私はというと、特になんの反応もせず、それが当たり前の光景かのように受け止め、遊びに出かけてしまいました。
なぜなんの恐怖も感じなかったのか、自分でもわかりません。
後からその光景を思い出して、その異様さに気付きました。
しかし今なお、恐ろしいと感じてはいません。
もしかすると、あの家には私を見守ってくれていた何者かがいたのかもしれません。
あとがき
今も昔も、自分に霊感があるとは思えません。しかし不思議な事はよく体験していたような気がします。
私は心霊現象や不思議な出来事についての話が好きではありますが、かなり懐疑的なスタンスでもあります。
ですので、今回の話についても自分の勘違い、記憶違い、見間違いという可能性の方が大きいと考えています。
自分の話に限らず、世の中の不思議な話全てに対してそういう考え方です。
ですが、それでも興味が尽きないのは、現代の科学では解明しきれない謎が実際に存在しており、そこにロマンを感じるからです。
この話の中で目撃した手は、その後二度と見る事はありませんでした。
そしていい話風に終わらせていますが、幼少期に兄の友達がこの家に来たとき、「お化けがいるから入りたくない」と泣き出したという逸話もあったりなかったり(笑)
あの手は一体何者だったのでしょうか?
霊視ができる方、お待ちしております!
jadeでした!